扇=生砂糖
型押=押物 窓
=大丸種






さざんか・葉・紅葉=生砂糖
一二三石=白雪 
苔=白砂糖


 盂蘭盆会から来た言葉で、お盆は仏教の説話から生まれたものである。釈迦の弟子目蓮は、死んだ母が餓鬼道(常に飢渇に苦しむ亡者)に堕ちたのを助けて欲しいと願い供養したのが7月15日。今では亡くなった人の霊を迎える行事になっている。昔から外に働きに出ている者や、嫁入りしている者も生家に帰り、家族そろって先祖の霊をまつるのが習慣である。お盆の準備は、京都では、一般的に8月13日からであるが、その前に御精霊迎えの行事が今も続いている。

[盆(盆花迎)]
 8月8日から3日間、平安京以来葬場として有名な洛東鳥辺野に近い六道辻の珍皇寺(六道さん)に盆市が立ち、人々はここに参って、鐘楼の六道鐘をつく。この鐘の音は冥土にまで聞こえるといい、この世へ帰ってくる精霊の道案内の役を果たしているという。また盆市では高野槇蓮などの盆花や、新盆を迎える人のための白木の膳が売られる。同時に五条坂では陶器市が立ち、小さくかなしい真白な陶器が売りに出される。これにひとつまみのご飯、汁、野菜の煮物、漬物などを入れて盆棚飾りをする。六波羅蜜寺では迎え火法要の万灯会が催され、付近は群参で賑わう。西陣あたりでは千本のえんま堂が六道さんと同じ役目をしている。大文字の翌日17日には大施餓鬼法要が営まれる。
12日
<お迎えだんご・蓮菓子>
13日 <お迎えだんご・白餅・おはぎ・蓮菓子>
14日
<白餅・おはぎ>
15日
<白餅・白蒸・お送りだんご>
16日
<白餅・白蒸・お送りだんご>


 
 8月23日〜24日に延命地蔵尊をまつる子供たちのお盆。幼くしてこの世を去った子供たちが賽の河原に集まって父母をしのんで河原に石を積んでいると、地獄の鬼たちがやってきてそれをこわし迫害を加える。この哀れな子供たちを救ってくれたのが地蔵尊で、地蔵は子供たちの守り本尊とされている。各町内ごとに地蔵をまつって赤い提灯をかけならべ子供中心の行事をする。これはかつて幼児の死亡率が高かったころ、子供の延命を願って始まったもの。
<紅白卍の押物>

猿=焼饅頭 鈴=こなし
御幣・紅葉・御所の屋根=生砂糖



 旧暦9月9日を重陽の節句、又は、菊の節句と言う。陰陽道の考え方から、陽の数字、即ち、奇数は縁起の良い数とされて、陽の数字の最も大きい9が、月日に二つ重なる9月9日は、五節句の中でもかなり重んじられていた。昔、菊慈童は700才まで生きたという中国の伝説から、菊は延寿の効があると信じられ、菊酒を飲む風習があった。
 季節は菊の真盛り、各地で菊が奉納された。この日、宮中では、菊花の宴が行われ、長寿、延命を祈願したのである。前夜から菊の花の上に綿を蔽っておき、その香りと露を含んだもので肌を拭ったりした。綿の色は、白菊には黄、赤には白、黄には赤をおおい、綿の色は官位によって異なる。これを着せ綿と言う。
<着せ綿>
写真は、京菓子協同組合青年部美味創心より掲載。

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