大文字=押物 提燈=種合せ
拍子木・帯=有平糖


 テレビ等でよく中継される歌会始めの儀は、新春にふさわしい皇室行事である。歌会始めは歌御会始めで古くは毎年の定めはなかったが、明治2年以降は1月中旬に行われるようになった。京菓子もその御題に合わせて作られてきた。今では京菓子司の腕の見せ所として、年末から正月にかけて店頭に陳列されている。又、勅題菓としてこれを好むお客さんも多い。
芋・たこ=こなし
月=栗羊羹 草=生砂糖



 
 正月と言えば、最近は年頭の三日間を重視するが、昔は、十五日(小正月)、二十正月陰暦1月1日を旧正月などとして祝ったものである。わけても七日正月は小正月に先立つ重要な日とされている。
中国神話では陰暦正月を人日とした。この世の第1日目に鳥を、第2日目に狗を、第3日目に猪を、第5日目に牛を、第6日目に馬を、第7日目に人を、第8日目に穀類を作ったと言われている。これを歳首にあてはめ正月7日を人日とし歳の節目としたのである。
陰暦正月頃は若菜を摘む習慣があり、七草菜を食べれば万病を免れるという俗信となり正月七日に七草粥を食べるようになった。当初はこの七草も草ではなく七穀すなわち、稲、麦、豆、粟、あづき、きび、大麦を粥に炊いたものと言われているが、鎌倉時代にはいつしか、芹、なずな、五行、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ等、野菜や野草に変った。ところで、このような粥は、正月の食べすぎなどによる胃腸の休養という事にもなり、非常に合理的な先祖の長い年月をかけて学びとった直感的な生活の智恵と言える。又、宮中においても、七草行事があり、御殿菓子等で正月を祝った。
とんぼ=有平糖 岩=カルメラ
水・竿=生砂糖







蛍・水・笹舟=有平糖
あし=生砂糖 団扇=種合せ



 1月15日を中心とする新年の行事。1月1日の大正月に対する呼名。十五日正月ともいう。前夜を十四日年越しといい、年越しの一つに数える。15日の朝、粥を食べる習慣は全国に広く、小豆粥にしているところが多い。
<ぜんざい>

[どんど焼き]
 どんど焼きは左義長という昔の宮中行事が民間行事になったもので、もともと吉書を焼く儀式であったが、お正月のお飾りを焼くようになった。
現在の成人式は、昔の元服に相当する。
元服とは、男子が成人の表示として、髪形をかえ、服を改め、頭には冠を加え、加冠の儀といわれる。11才〜16才頃が多かった。貴人では、童名を廃し、命名、叙位の行事がある。武士では烏帽子をつける。16世紀頃から庶民では前髪を剃る事に代ってくる。
女子では、「髪上」「初笄」「裳着」「髪そぎ」がこれに当る。
成人の日の趣旨は、大人になった事を自覚し、自ら生き抜こうとする青年男女を励まし祝うものである。当日は自治体等による公の成人式が行われる。この日招かれた青年男女は、記念品や紅白饅頭、赤飯等が配られる。
写真は、京菓子協同組合青年部穏歩前進より掲載。

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